ハーレーと水冷式エンジンについて

エンジンには水冷と空冷の2種類があります。前者は水や冷却材を使って効率よくエンジンを冷却し、安定した冷却能力があることが特徴です。騒音や排ガスのリスクが少ない点も大きなメリットと言えます。一方、後者は上昇気流やファンを使って空気を循環させ、この力でエンジンを冷却するシステムです。このうち、上昇気流を使った空冷システムは非常にシンプルな反面、冷却効率が悪いというデメリットがありました。そこで、ハーレーでは冷却ファンを2つ搭載した空冷エンジンを導入しています。これによって、排ガス規制などの条件をしっかりクリアしています。

このように、ハーレーでは伝統的に空冷エンジンを積極的に導入してきた経緯があります。その理由はさまざま考えられますが、恐らくは空冷にすることで、ラジエーターやホースのないスッキリしたボディを形成することができるからではないかと思われます。

しかし、そんなハーレーも水冷エンジン「レボリューション」を2002年にリリースしています。115psという圧倒的な馬力が特徴で、スムーズな走行とパワフルな走行を両立できるという理由から、世界中から注目された経緯を持ちます。なお、V-RODという車種ではこのレボリューションが搭載されています。そして、2015年にはレボリューションの進化版のエンジン、「レボリューションx」を搭載したストリート750が日本でも販売されています。ハーレーと言えば空冷というイメージこそまだ壊れていませんが、今後、そのエンジンの名前通り「革命」となるかどうか、注目に値します。